コンセプト作成

どんなお店にしたいのか?

経営者様が、飲食店を始めようとした本当の理由は何ですか?

この問いに対する答えを明確にすれば、今まで漠然としていたことが浮き彫りになってきます。

それこそが、お店のコンセプトに繋がります。

コンセプトって何?

これから作り上げるお店のテーマや方向性です。

以下のものがあります。

基本コンセプト業種・業態・店全体のテーマを決める
顧客コンセプトどのような顧客(性別・年代・職業・ライフスタイルなど)を対象とするのか決める
商品コンセプト「看板商品」「お値打ち商品」「他店との差別化ポイント」などを明示する
店舗コンセプト店舗の内外装など店舗自体のスタイルを想定する
サービスコンセプトどのような接客サービスを行うのか「サービススタイル」を決める
  • 基本コンセプト
    ①業種:日本料理、中華料理、フランス料理、カレー、紅茶など、どのような商品を主力に売るのか、要するに「何屋」か決める。
    ②業態:カレー屋(業種)ならば、「インドの本格カレー専門料理店」「カウンター席メインのスピーディなファストフード店」「宅配専門店」など、販売・運営方法を決める。
    ③店全体のテーマ:イタリア料理店ならば、「日本では馴染みの無い地元イタリアの味を提供し、イタリアンの情報発信する店にしたい」「農園レストランの雰囲気で野菜たっぷりのイタリア料理を出したい」など、店全体のテーマを決め、店名に反映させていく。
  • 顧客コンセプト
    どのような顧客(性別・年代・職業・ライフスタイル)をメインターゲットとするのかを、昼夜のピーク時、アイドルタイム、平日休日別に想定していく。
  • 商品コンセプト
    お勧め商品(経営者様の好みに関わらず、美味しさに自信があり、かつ、原価率が高くない商品)を考え、他店と異なるウリを明示する。
  • 店舗コンセプト
    カジュアル・モダン・エレガント・シック・クラシカル・和風・古民家風など、店舗の外観と店内など、店舗自体のスタイルを想定する。
  • サービスコンセプト
    「正しい接客用語を使い、オーダー取りや水のおかわりは、指摘される前に自ら気づいて動く」など、具体的な内容を明示する。

まずは難しく考えず、

「女性が一人でも入りやすい焼肉屋」
「健康が気になるシニア世代向けヘルシー和食屋」
「新鮮野菜をふんだんに使ったイタリアン」

という風に、経営者様がやってみたいお店を思い浮かべて、徐々に具体化していきます。

このとき、当サイトのトップにあるような、6W2Hに、経営者様の気持ちを当てはめると、より具体的にお店のイメージが見えてきます。

  • いつから?(When)
    「いつかは…」だけでは、現実の開業には至りません。
    開業日を具体的に決めれば、逆算して開業スケジュールが立てられます。
  • どこで?(Where)
    どの町のどんな場所で、お店をやっていきたいのかを考えます。
    店舗物件を探すポイントになります。
  • 誰が?(Who)
    自分だけで開業するのか、共同経営者や手伝ってくれる人を見つけるのか、考えます。
    複数の人と始める場合、事前の役割分担をしっかり決めることが重要です。
  • 何を?(What)
    パスタなのか鮮魚なのか野菜なのか、何をお店のウリにするのか、考えます。
    こだわりどころやコンセプトに繋がる重要なポイントです。
  • 誰に?(Whom)
    お一人の女性、家族連れ、中堅サラリーマン・OL、と、メインターゲットを考えます。
    コンセプトの一部分である、お店の雰囲気が決まってきます。
  • なぜ?(Why)
    飲食店を始める理由をはっきりさせます。
    理由は目標に繋がり、その気持ちを強く持ち続ければ、困難を乗り越える原動力になります。
  • どうやって?(How to)
    こぢんまりと、わいわい賑やかに、セルフサービス、など、お店をどのようにやりたいか、考えます。
    お店のスタイル、人員にも関係してきます。
  • 開業資金は?(How much)
    立地や規模により異なります。
    自己資金だけでまかなうのが理想ですが、やはり借入金が必要な場合がほとんどです。資金調達について、現実的に考えます。

お店のスタイルは?

コンセプトを踏まえて、お店のこだわりを考えます。

数多ある飲食店の中から、お客様に選ばれるための最も重要なポイントです。

まずは、経営者様の「好き」「得意」を考えてみます。

ワインが好きでマリアージュも得意、おつまみ系メニューならどんどん考え付く、地元の鮮魚をもっと広めたい、古民家風な内外装が好き、北欧のインテリアや食器が好き、
など、ご自身を見つめ直していくと、こだわりが見えてきます。

例えば…

  • 和テイスト薬膳カフェ
    古民家を改築し、落ち着いた調度をそろえる。
    自宅や実家にいるような空間演出で、ほっとする場所を提供したい。
  • 移動お弁当屋さん
    ワンボックスカーで、イベント会場やオフィス街など、色々な場所へ出かけて営業したい。
    店舗を構えないから、リスクも少なくできる。
  • ペットOKのカジュアルイタリアン
    散歩の途中に寄ってもらい、ペット仲間が集い、楽しく食事ができるお店にしたい。
    ペット用メニューも用意して、ペット達にも楽しんで欲しい。
  • スポーツバー
    大型スクリーンを用意して、皆でスポーツ観戦し、熱く盛り上がって欲しい。
    同じ趣味の人が集まるので、わいわい賑やかで、常連客も期待できる。

看板メニュー開発

経営者様の好みや得意だけで、看板メニューは決まりません。

経営者様のこだわりは大切ですが、それをお客様に押し付けてはならないのです。

お客様からお金をいただいて提供するものは、それに見合う価値が必要です。

お店のコンセプトを象徴するのが看板メニューです。

経営者様の好きと得意を活かし、かつ、お客様に受け入れられるメニュー開発をなさってください。

  • コンセプトに沿って、どんな商品を提供したいかを考えます。
  • コストを考えながら、商品を絞り込みます。
  • 周囲の人に味見をしてもらい、お店に出せる価値があるかを検討します。
  • 価値のある商品に絞り込み、レシピを完成させます。

商品開発のヒント

  • 外食メモ
    普段の外食でもメモや写真を残しておきます。
    良い点だけでなく、悪い点も記録します。
    可能な限りビジュアルもわかるよう、写真やイラストを添えます。
  • 気になるものは食べてみる
    ご自身の好き嫌いに関わらず、流行っているもの、珍しいもの、郷土食、名産など、目に止まった食品は、ご自身の舌で確かめます。
  • 雑誌やデパ地下
    雑誌、ネットで頻繁に取り上げられる料理や素材、調味料や、デパ地下で人気の商品をチェックし、実際に試してみます。
  • 色彩の勉強
    盛り付けに役立つ色彩について、基礎的知識を学びます。
    色彩豊かな料理は、栄養的にも優れています。